これぞ天才、途中式を書かない子

教育コラム
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1000人以上生徒を見てきましたが、唯一人だけ天才がいました。当時小学5年生だった男の子です。

この子はお世辞にも字が上手とは言えず、話し方は独特で。そこらにいる小学5年生の雰囲気とはちょっと違いました。

宿題はしてこないし、授業中は急に他のことを話し出すし…正直、この子の対応にはじめは困っていました。

ところが、すぐにこの子に驚かされることになります。

学校のテストの点数が悪いので、テスト用紙を塾に持ってきてもらいました。そこで目を疑いました。途中式を書いていないのです。

答えだけをあの汚い字(ごめんね)で書いているのです。

小学校のテストの点数は、式と答えそれぞれに配点があります。もっと言うと、最終的な答えがあっていなくても式の計算が途中まであっていたら部分点をくれる先生もいます。

この子は答えしか書いていないので、答えに対する配点しかもらえていなかったのです。言い換えると、答えはあっていても式がないので減点といったところでしょうか。

この子に聞きました。

式はどうして書かないの?

…?

不思議そうな顔をしてこちらを見ます。

だって、先生、答えは○○でしょ?

そうだけど…

わたしはこの子の思考が読めませんでした。なにしろ新卒一年目で塾長になったときの話ですから。

「…」となっているわたしを見かねて、この子の親が説明を加えてくれました。

この子、文章を読んだだけで答えが見えるみたいなんです。

…!

親からの説明を聞いてもピンと来ませんでしたが、そういう子がいるというのを知りました。

たしかにこれまでの授業中のノートを見ても答えしか書いていませんでした。

式らしきものを書くときもあるけど、それもノートの罫線を無視ししてちょこちょこっと本人にしか分からない字で。

なるほどそういうことか、この子は天才だ。

小学5年生の問題であれば、文章題も簡単なものでしょ?と思われる方もいるかもしれません。大人からしたらたしかにそうかもしれません。

でもこの子は食塩水の問題(割合が出てきて比較的難しいとされる単元)でも式を書かずに答えを出してしまうのです。

後にも先にもこんな子はいませんでした。

将来は研究者になりたいって言ってたかな…名前を顔も覚えているので、いつかニュースなどで見れると嬉しいです。

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