
宿題やってきた?

はい、やってきました。

よし、じゃあ授業はじめようか。
こんな会話で授業がはじまっているようであれば、塾に通っている意味を半分ほど失っているも同然です。
宿題は単元の理解度をはかる大事な役割があります。それなのに会話だけで「宿題やった?」「やったよ」で終わらせているようであれば、塾の役割を果たしていません。
成績を上げるために塾ができる宿題の理解度の確認の仕方を次からお話しします。
- 塾で宿題確認がちゃんとされているか確認したい方
- 家で親が勉強を見るときのポイントが知りたい方
- 成績を上げたい方
宿題を意味ないものにしないためには
せっかく出された宿題を「やった」「やってない」の確認だけで済ませてしまうのはもったいないです。というかそんな簡単な確認だけでは何の意味もありません。
宿題を意味ないものにしないためには、以下を確認する必要があります。
- 宿題をちゃんとやっているか
- 正答率の確認
- 途中式などの確認
- 間違えた問題のどこまで理解できているか
- 直しがしてあるか(理解できているか)
宿題を塾でどのように確認してもらっているか、お子さんにぜひ聞いてみてください。
お子さんが曖昧なことを言うようであれば、塾長に面談で聞いてみてもいいですね。

宿題の確認はどのようにしてもらってますか?
宿題の確認に力を入れてない塾(教室)だと、聞いた瞬間の反応で分かると思います。
動揺した素振りを見せなくても、話の内容がちゃんとしたものか見極めましょう。見極めるためのヒントをこれから書くので参考にしてください。
宿題をちゃんとやっているか
まず出された宿題をちゃんとやっているかの確認です。さすがに問題単位で確認するのは面倒大変なのでページ単位で確認します。
わたしの生徒で途中のページを飛ばしてズルする子がいました。P1~P5まで宿題が出ていたら、P4だけ飛ばしてみるとか。本人は「忘れてました」と毎回言うのですが…このご家庭は理不尽なクレームをつけるんですよね。親と子を見て「そういうことか」なんて思ってしまったり。
少し話はそれましたが。宿題をやった”フリ”をする子は教室規模によりますが1教室に一人はいるイメージです。
塾はそれを見逃してはいけません。ちなみに宿題をやってない理由は様々です。
- 単に面倒だった
- 宿題の量が多すぎた(負担になっている)
- 分からない問題が多かった
- その週たまたま忙しかった
どれが理由かは生徒に聞いてみないと分かりません。「忘れてただけだよ」とすっとぼける子もいますが、授業中の様子や会話の中からその子の状況は分かってきます。
それを把握した上で、次回の宿題を出します。宿題をスキップするという、同じことが起こらないように。
たとえば部活の大会が近くて宿題をする余裕がない場合は、宿題の量を減らすなど臨機応変に塾側も対応すべきですね。
正答率の確認
次に確認するのは正答率です。先生からの指示がなくても自分で正答率を書いてくる几帳面な子も稀にいます。「80%できた」とか「28問正解/30問中」とか。
正答率を出すとその範囲の理解度が分かりやすくなります。
- 正答率半分以下:ほとんど分かってない
- 正答率約半分:基礎は分かってる
- 正答率半分以上:応用ができない
ざっくりですが、このような感覚です。
理解度に応じて授業の内容やスピードを調整します。
たとえば宿題の正答率が半分以下なのに宿題解説もせず次の単元に進んではいけませんよね。(厳密には、単元のつながりやテスト期間などを加味して次の単元に一旦進む場合もあります)
途中式などの確認
理系科目
理系科目であれば計算が必要な問題が多くあります。式や途中式を書いているかを確認します。
答えだけ書いている場合、答えを書き写している可能性があります。

途中式は?

家にあった裏紙に途中式を書いた。
本当のことを言っていると信じたいところですが、正直怪しい。ノートに書けばいい話ですからね。
ちょっと怪しいと思ったときは同じ問題をその場でやらせてみます。そうするとその子が本当のことを言ってるかどうか分かります。
わたしが知っている”天才”以外は、式を立てて途中式を書きながら正解を導きます。

家でやったときはできたんだけど。
はい、アウト。もし家でできたことが本当であってもいまできなければ意味がありません。
大昔の宿題であれば解き方を忘れることもあるでしょう。でも先週出された宿題を翌週にもう忘れているようであれば、理解できていない(自分のものになっていない)ということです。
文系科目
たとえば英語の並び替え問題。普通、並び替え問題を解くときは使った単語から斜線などで消していきます。これをせずに解答だけ書いていたら少し怪しい。
怪しいと思ったときは並び替え問題の選択肢を伏せて解かせてみます。

選択肢がないと分からないよ。
はい、これもアウトです。同じ形式の並び替え問題が試験で出たらラッキーですが、英作文の問題であれば点が取れないということです。つまり理解できていない証拠。
正解しているからOKではなく、本当に理解しているか確認することが大切です。
間違えた問題のどこまで理解できているか
当然ですが間違えた問題も要確認です。
生徒に宿題の丸付けをお願いすると「△」をつけてくる子がいます。「答えはあってないけど、式はあっていた」そんなところでしょうか。
塾ではその△が本当に△に値するのか見なければなりません。たとえば中3の途中式で「5-3=3」と書いて答えが最終的に間違えていたらこれは△でOK。先生からの解説は不要です。
でも、中1の方程式の単元で立式はできていても移行するときの符号が違っていたら?同類項で計算できていなかったら?その場合、正負の数の単元から見直しが必要です。
ちょっと細かい話なので上記の例がよく分からない方もいるかもしれません。要は、「△」が解説必要なのか不要なのかという確認をしなければなりません。
直しがしてあるか(理解できているか)
間違えた問題の直しをしていなかったら問題外。直しから授業で確認しなければなりません。
また、たとえ直しをやってあっても理解しているかどうかは分かりません。解答からただ写すだけなら誰にでもできますからね。
そのため直しがしてあっても、再度同じ問題をその場で解かせるなどして理解度を確認する必要があります。成績を上げるためにはそこまでやってこそです。
宿題を意味ないものにしたらもったいない
宿題を雑に扱うと意味ないものになってしまいます。意味のあるものにするためには、宿題を”ちゃんと”やっているか出した人が確認しなければなりません。
今回の記事に書いた通りに宿題の確認をするとそれなりの時間がかかります。でもここをおろそかにしてしまったら、成績は上がりません。
それに”ちゃんと”宿題を確認しないと生徒も”ちゃんと”宿題をしなくなってしまいます。負のスパイラルです。
ちなみに家で勉強を見ているご家庭にも同じことが言えます。家で見ると言ってもさすがにずっとつきっきりで勉強を教えられませんよね。
というか、一人で勉強する時間も必要なのでつきっきりになる必要もありません。
そのためご家庭で勉強を見るにせよ、塾と同様に宿題を出すことになります。この宿題の確認を塾レベルでできるかどうかが家での勉強を成功させるカギの一つです。
何度も言いますが、宿題は理解度を確認するための大切なツールです。「NO宿題 NO成績アップ」といったところでしょうか。
これから塾を探す方は、体験授業を受けることはもちろんですが授業見学もさせてもらうといいですね。
宿題確認にどれだけ力を入れているか、が成績を上げる一つのポイントです。
宿題を制する者は勉強を制する!宿題の確認にはじっくり時間を割くのが成績アップのカギです。
宿題を意味ないものにしないために、確認は侮ることなかれです。