塾に対して無茶な要求をするご家庭はたくさんいます。理不尽なクレームを申し立てるご家庭もたくさんいます。
子どもを思ってるからこそ、というのは分かります。でも塾はボランティアではありません。
「お金を払っているから何を言ってもいい」は大きな勘違いです。サービス(授業など)に対する月謝をもらっているわけでそれ以上を求められても困ります。
でも、いるんです。それは無理でしょ、という要望を言ってくるご家庭が。
今回は「宿題出せ!めっちゃ出せ!家庭」のお話をしたいと思います。
この記事を読んでほしい方
- 塾に大量の宿題を出してほしいと思っている方
どんな生徒、どんなご家庭だった?
週1の授業で宿題を合計で100ページ出してほしい
そこに意味はあるんか?

結論:意味はない
この要望を出してきたご家庭の生徒は高校3年生の受験生の男の子でした。
子どもはまぁそれなりにやる気があるという状態で、それ以上に親の勢いがすごいご家庭でした。

宿題ちょっとできなかった、てへ。
という子どもに対して、

絶対に宿題をさせてください、絶対100ページ宿題を出してください、絶対…
親はこんな感じ。
宿題云々もですが、そもそも親子の足並みが揃わないと合格は遠のきます。
その話はまた別の記事で。
塾の宿題を週1で100ページ出すことは意味ない理由

できるだけ安く済ませたい、宿題でなんとか補いたい。
ちなみにこのご家庭、わたしの教室の生徒ではなく部下が持っている生徒でした。
この要望に応えるのは過剰なサービスです。
だって100ページですよ?
週1の授業で100ページの宿題を出して、それを確認して、さらに新しい宿題を100ページ出して…
100ページの宿題を出すことは可能です。機械的に出すのであれば…ですが。
たとえば5教科で100ページ出そうと思ったら1教科につき20ページ出せばいいですよね。
テキストのはじめからP1~P20までと20ページずつ毎週出せばいいだけです。
でもそれって塾が出す必要ありますか?機械的に前のページから出していくだけであれば塾に通わずとも、親なり本人が管理すればいい話です。
塾が宿題を出すときはそんな機械的な作業ではありません。”意味のある”宿題を出しています。
宿題を出したら次回授業時に理解度を確認します。不明点があればそこを解説してから次に進むのがよくあるスタイルです。
でも100ページとなると”意味のある宿題”は出せません。じゃあ何ページまでならいいんですか?なんて愚問はなしです。
普通の感覚を持っていたら、週1の授業で100ページの宿題を出すことは常識レベルを超えていると分かるはずです。
それに、そもそも親の言う「宿題を100ページ出してください」に数的根拠はありません。
宿題は量も大事ですがもっと大事なのは質です。分かっている単元をやっても時間の無駄ですし、分からない単元があるのに次々と進んでいくのも意味がありません。
(厳密には、当日のテストで戦略的に点を取るために理解できなくても次の単元に進む場合もあります)
機械的に100ページ宿題を出すだけなら、塾に通う必要はありません。だって親にでも誰にでもできることですから。
だからこんな要望に応えるのはナンセンスです。
また、本末転倒ですが100ページの宿題を週1でこなせる(理解して自分のものにできる)子は、そもそも塾は不要でしょう。
塾の宿題を週1で100ページ出すことは意味ない【ご家庭を説得】
わたしの生徒であればこの要望(週1の授業で100ページ宿題を出す)を聞いた時点で、応えられない方向に持っていきます。
塾を存分に利用してほしい気持ちはありますが、すべての生徒を平等に見たいという気持ちもあります。
同じサービスを全生徒にできるか?というと無理です。100人の生徒に対して、個別で100ページずつ宿題を出すことはできません。
だからご家庭にその旨を分かってもらえるように話します。
- 全生徒を平等に見たい
- 100ページ分の宿題は機械的に(ほぼ無意味)出すしかない
- 100ページ分の宿題確認(理解度確認)はできない
- 次の宿題は理解できている前提で出すことになる
- 大学進学を目指しているので勉強内容もそれなりに難易度が高い
- 先生によって科目の得意不得意があるのは事実
- よりよい授業を提供するためには授業科目をある程度固めたい
こんなところでしょうか。わたしなら上記内容を話して、この要望を始めから突っぱねます。
塾の宿題をどうしても100ページ出してほしい方へ
どうしても宿題100ページにこだわりがある方は、その分の授業を取ってください。
100ページの宿題を出してほしい(指導してほしい)場合は、せめて週10回(10コマ)の授業が必要です。
授業の進み具合は科目や難易度、理解度によります。そのため週10回(10コマ)はアバウトな提案です。
成績アップや合格の近道は塾の提案を聞くこと
合格させたいのであれば、塾からの提案(夏期講習など)を素直に受け入れることです。
今回のように、

宿題を絶対100ページ出してほしい!
などと意味の分からない要求はしないこと。ご家庭の思い通りにしたいのであれば、家で見ればいいのです。
家で見れないのであればサービス相当のお金をかけて受験のプロである塾に見てもらうしかありません。
今回の話の場合、ゴールは志望校合格です。そのためにはどうしたらいいか、誰の意見を聞くべきか考えるといいですね。